BEACON Vol.4
クリスマスの主役 ーサンタか、キリストか
クリスマスといえば、街中に流れるクリスマスソングや美しいイルミネーション、プレゼントを運んで来るサンタクロースなどを思い浮かべる人が多いと思います。でも、クリスマスの主役はサンタではなく、イエス・キリストです。
イエスは12月25日に生まれたのでしょうか。実は、聖書のどこにも誕生日は記されていません。
では、なぜ12月25日がクリスマスとして祝われるようになったのでしょうか。その理由は、すでに存在していた 「冬至祭」(不滅の太陽の祭り)と「イエスの誕生」が結びついたからです。初期のクリスチャンたちは、「太陽の祭り」こそ「世の光」として来られた方の誕生を記念するにふさわしい日だと考えたのでしょう。
私たちにとって大切なのは、「イエスは何月何日に生まれたか」を詮索することではなく、「なぜこの世に来られたのか」を知ることなのです。
王と娘のたとえ ー神の愛の物語
デンマークの哲学者セーレン・キルケゴール(1813〜1855)は、神の愛を説明するために、次のようなたとえ話を語っています。
「ある国に偉大な王がいました。彼は知恵と力に満ちた支配者でした。ある日彼は、貧しい家の一人の娘に恋をしました。王としての権力を行使すれば、彼女を宮殿に呼び寄せ、王妃にすることは容易にできます。でも、それでは彼女が本当に王を愛しているのか、それとも権力に従っているだけなのか分かりません。『愛は強制するものではない』。そう考えた王は、王冠を脱ぎ、自らも貧しい村人となって彼女の家の前に立ちました。」
このたとえは、神の子がなぜ人となってこの世に来られたかを教える比ゆです。神の子は、天における栄光を捨て、人間の姿をとり、私たちとともに生きるために来られました。
クリスマスとは、「神である方が、私たちに愛を示すために、仕える者の姿を取られた」という出来事なのです。
「恐れることはありません」 一羊飼いたちへの御告げ
クリスマスの知らせを最初に聞いたのは、羊飼いたちでした。彼らは、当時のユダヤ社会では最下層に属していた人々です。ルカ2:10〜11にこう書かれています。
「御使いは彼らに言った。『恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。』」
「ダビデの町」とはベツレヘムのことです。この町の周辺には、「羊飼いの野」と呼ばれる放牧地が広がっています。
救い主が誕生した夜、羊飼いたちは野宿しながら羊の番をしていました。すると突然、暗闇に栄光の光が輝いて天使が現れました。それを見て、羊飼いたちは恐れおののきました。天使は彼らに「恐れることはありません」と告げました。
私たちもまた、将来に対する不安や、神の前に立つことへの恐れを抱きます。だからこそ、天使のことばは今の私たちにも響きます。
「恐れることはありません。」
飼葉桶の赤子 ー洞窟での誕生
イエスが誕生したのは、馬小屋ではなく洞窟です。ルカ2:7には、「そして、その子を布にくるんで飼葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである」とあります。
「飼葉桶」とは家畜の餌箱のことですが、それが置かれていた場所は、夜間に家畜を囲っておく洞窟だと思われます。イエスが王宮ではなく洞窟で生まれたことは、「イエスの謙遜な姿」を象徴しています。
赤子は「布にくるんで」飼葉桶に寝かされました。この布(亜麻布)は埋葬の際に用いられるものでした。赤子のイエスがこの布にくるまれたのは、「イエスは死ぬために誕生した」ということの象徴です。
この世に生を受けた者は、必ず死にます。それとは違った意味で、イエスは十字架上で死ぬために生まれました。洞窟も、飼葉桶も、布も、すべて私たち罪人に対するイエスの愛の象徴です。赤子を恐れる人はいません。もしイエスが最初から力強い支配者として現れていたとしたら、人々は恐れ、身を引いたことでしょう。しかし、イエスは誰もが近づきたくなる赤子の姿で来られました。それゆえ、私たちは安心してイエスに近づくことができるのです。
ここで忘れてならないのは、イエスの誕生が十字架の苦しみと深く結びついているということです。イエスの誕生は十字架の死と切り離すことができません。
赤子を礼拝する羊飼いたち ー自発的な応答
羊飼いたちは、天使からの知らせを受けると、急いで飼葉桶の赤子を探しに行きました。そして、見つけたとき、彼らはその子を礼拝しました。神は愛を強要しません。神は、私たちが自らの意志でイエスを救い主と信じ、礼拝することを求めておられます。では、私たちはどのように応答すべきでしょうか。
聖書は、イエス・キリストを救い主として信じるなら救われると教えています。救われるとは、神の怒りから解放され、神との平和が与えられることです。救いの方法は実にシンプルです。福音の三要素(1コリント15:3〜4)を信じればよいのです。
- イエス・キリストは、私たちの罪のために死なれた。
- 死んて墓に葬られた。
- 三日目によみがえられた。
あなたの心にクリスマスを!
今年のクリスマス、あなたはどう祝われますか。ただのイベントとして終えるのは、あまりにも惜しいことです。
イエス・キリストの誕生が自分にとってどんな意味があるのかを考えながら、クリスマスを迎えようではありませんか。
イエス・キリストはあなたを愛し、あなたのためにいのちを捨ててくださいました。その愛に応答することが、クリスマスの喜びを体験する唯一の方法です。「恐れることはありません!」。これがクリスマスのメッセージです。
この祈りを心からささげるなら、あなたも今日からクリスチャンとして新しい歩みを始めることができます。
天の父なる神さま、
私には恐れがありました。
その恐れをクリスマスの主役である
イエス・キリストにお委ねします。
イエス・キリストは
私の罪のために死なれたこと、
死んで墓に葬られたこと、
三日目によみがえられたことを信じます。
イエス・キリストの御名によって祈ります。
アーメン
お祈りをされた方は、サイン欄に「祈った日」「氏名」記入し、画面のスクリーンショットを残しておかれることをおすすめします。
プリンターをお持ちの方は「印刷する」ボタンを押すと印刷画面が開き、印刷をすることができます。
いつ祈ったかの記録になり、大切な記念にもなります。
あなたのために救い主が生まれた
A Savior Is Born for You
バイブル ブックレット シリーズ BEACON(ビーコン)Vol.4
2025年10月発行
BEACONは、オンラインショップにて本体・送料無料で送付お申し込みができます。





